コラム 2024.07.13

食品ロス削減の活動はマインクラフトみたい。

2023年、
西喜商店は、軒下青果店を中心とした食品ロスの活動でかなり注目された1年であった。
その影響からか、高校生や大学生が話を聞きたい、何か一緒に活動ができないかと
頻繫に若者が店を訪れ始めた。
さらには京都環境賞特別賞を受賞することができ、今年も大きく動いていく。
そんな気がしていた。

だが、店を訪れる学生はぱたりと姿を見なくなった。

私も若者といわれる世代にいるが、
若者たちのトレンドや興味関心を掴むアンテナは目を見張るものがある。

学校で取り組む課題や活動で
社会課題や地域課題を取り扱う場合、
そのアンテナは本領を発揮する。

ただ、ここで前提となるのが

「面白い、もしくは楽しいものか。」

これが非常に重要なのだ。

例えば、

何か地域資源のある場所で人を集めて盛り上げたいから1日イベントをする。
ある社会課題に対して、自分の得意と組み合わせたアイデアを形にする。

こうしたものが学生の活動の中でよくある形式だとしよう。
これらの大きな特徴といえるのは、
期間が短い一定の満足感と達成感を得ることができる
この2つだろう。
学生の持つ限られた時間の中で完結することができ、
その上で、面白く楽しいものでなければならない。
それが若者のアンテナに引っかかる条件なのだ。

では、当店の取り組む青果流通における食品ロス削減活動はどうか。
一般的にはない取り組みであることは面白さに直結するだろう。
ただ、泥臭く日々少しずつ取り組むことがこの活動の肝になるため、
楽しくはない。
そしてゴールが果てしなく遠いため、期間が長い。
学生期間で解決に近づくことは難しいため、満足感や達成感が薄い。

そのため、当店に興味を持って、活動に参画してくれり、
一緒に何かプロジェクトをした学生は皆、思っただろう。

なんか、違う。

そう感じているはずだ。
ここで、学生の取り組むプロジェクトをゲームに例えてみよう。
彼らは刺激的で協力しあえるアクションゲームRPGを求めている。
一方で、青果流通における食品ロスの活動は、
マインクラフトのようなものだ。
ただ地道に時間をかける単純な作業に近い。
一定期間でできるものは壮大なものではなく、
少し小洒落た家の形をした拠点くらいだろう。

しかし、マインクラフトがつまらないなんてことはない。

あなたが思うままに自由に動いたり、クリエイティブを実践でき、
他の人に邪魔されない世界。
誰かが短期間で華のあることをしている中で、
あなたはもっと壮大なことを目指し、活動している。
そんな学生生活も悪くないと思わないか。

あなたが楽しさや面白さを創るプレイヤーになれる。

そんな想いを抱いた若者を西喜商店はいつでも歓迎しています。

執筆:スタッフ海部